原田耕志教授の共同研究の成果がBiochemical and Biophysical Research Communications (BBRC)に掲載されました。

2025年2月7日

近年、「糖化」は老化を促進する要因として注目されています。
なお、活性酸素による酸化が「体のサビ」と言われるのに対して、糖化は「体のコゲ」とも呼ばれています。
糖化は、食事などから摂った余分な糖質が体内の蛋白質などと結びついて、細胞などを劣化させる現象で、 例えばホットケーキを作るときに、こんがりと焼けて褐色になっていくのも糖化の一例です。
焦げ目はおいしさをイメージしがちですが、実は糖化が進むと肌のシワやくすみ、シミなどとなって現れます。
それだけでなく、糖化によってつくられる終末糖化産物は内臓をはじめとする体内組織に作用して、 多くの病気、例えば動脈硬化や白内障、アルツハイマー等の原因となることが指摘されています。
この終末糖化産物の中間体の一つがメチルグリオキサールと呼ばれるものです。
本研究ではメチルグリオキサールが、骨芽細胞の終末分化を抑制することで、仮骨の石灰化や骨折の治癒を阻害することを見出しました。
今後メチルグリオキサールをターゲットとした新たな治療戦略の開発が期待されます。


Biochemical and Biophysical Research Communications (BBRC)