科目コード
E1007
授業科目名
生命倫理学
担当者
田中健
対象年度
2025
履修区分
選択
開講期
1年
後期
授業回数
15回
単位数
2単位

授業の概要
科学技術は日々進歩していますが、法の制定はそのスピードに追い付くことができません。また、子どものケアや医療はひとの「生き方」に関わる営為であり、法によって厳密に規制することにはなじまない面もあります。そのため、子どものケアや医療については、「違法/適法」という観点だけではなく、「倫理的/非倫理的」という観点から問題点にアプローチする必要が生じます。この授業では、子どものケアや医療に関連するトピックを取り上げ、問題の争点と蓄積されてきた議論を紹介していきます。
DPとの関連
①平和を希求し、その教育に努め、幸せな人生を創造しようとする力を身につける
②人間愛のもと、ケアすることの意義を教育・保育の専門性において学び、専門的な知識・技術との統合を図る力を身につける
③修得した専門的な知識・技術を活用し、教育者・保育者として実践する力を身につける
④教育・保育者として、子どもの育ちや学びに関わる問題について時代の変化を見通して研究し、新たな価値の創造を図る力を身につける
⑤社会との連携を図り、人々の教育的・保育的ニーズや社会的ニーズに応えることができる力
※DP:ディプロマ・ポリシー(卒業認定・学位授与の方針)=卒業までに身に付けるべき資質・能力
到達目標
・取り上げられたトピックについて基本的な知識を持ち、それについて自分の見解をまとめあげること。
・善悪を区別するための考え方として、功利主義と義務論を理解し、それらを具体的な場面に即して適用できるようになること。
履修上の注意事項
私語や電子機器の使用など、他の受講生の迷惑になり得るおこないは禁止します。
授業計画
回数 講義内容【担当教員】 事前・事後学修
1 受講ガイダンス/倫理と法 事前学修:不要 事後学修:30分。
2 生殖技術の倫理問題(1):技術の概要 事前学修:20分 事後学修30分
3 生殖技術の倫理問題(2):生殖技術をめぐる事件 事前学修:20分 事後学修:30分
4 生殖技術の倫理問題(3):生殖技術の規制 事前学修:20分 事後学修:30分
5 脳死と臓器移植の倫理問題(1):脳死とはどのような状態か 事前学修:20分 事後学修:30分
6 脳死と臓器移植の倫理問題(2):脳死判定基準の意味 事前学修:20分 事後学修30分
7 人工妊娠中絶の倫理問題(1):母体保護法にいたるまでの制度の歴史 事前学修:20分 事後学修30分
8 人工妊娠中絶の倫理問題(2):プロライフ(中絶に反対する立場)の主張 事前学修:20分 事後学修:30分
9 人工妊娠中絶の倫理問題(3):プロチョイス(中絶を認める立場)の主張 事前学修:20分 事後学修:30分
10 善と悪はどのように決まるか:徳倫理学/義務論/功利主義 事前学修:20分 事後学修:30分
11 安楽死・尊厳死の倫理問題(1):安楽死とはどのような行いか/安楽死裁判 事前学修:20分 事後学修:30分
12 安楽死・尊厳死の倫理問題(2):安楽死法制化の動き/子どもの安楽死 事前学修:20分 事後学修:30分
13 ニヒリズムと反出生主義:生まれてくることは「よくないこと」か 事前学修:20分 事後学修:30分
14 ケアの思想:メイヤロフ/ギリガン/ノディングズ 事前学修:20分 事後学修:30分
15 未来世代への責任:ヨナスの思想 事前学修:20分 事後学修:30分
成績評価方法
定期試験70%、提出物30%で評価します。なお、提出物とは授業終了後に提出していただくコメントのことです。
ただし、受験資格を満たしていない場合は評価の対象としない。
教科書
書名・著者(出版社) ISBNコード
参考書
書名・著者(出版社) ISBNコード
教員からのメッセージ
現在進行形で議論されている問題について、授業では様々な見解を紹介していきます。それらを暗記するのではなく、「自分ならどう考えるか」を模索して下さい。
教員との連絡方法
授業終了後、教室で質問を受けます。あるいは、出席カードに質問を書いていただいても構いません。
実務経験のある教員