科目コード
E2173
授業科目名
肢体不自由児教育
担当者
水田弘見
対象年度
2025
履修区分
必修
開講期
2年
後期
授業回数
15回
単位数
2単位

授業の概要
授業の概要
高木憲次氏の提唱により、昭和7年(1932)にわが国最初の肢体不自由学校、東京市立光明学校が設立された。それから90年余りが経過する中で、医療の発達に伴い障害の実態は大きく変わってきている。その意味から、特別支援教育では、新生児医療や成育医療に関する予備知識が必要になってきている。
新生児期までの脳損傷の後遺症による運動障害を脳性まひという。近年は、運動障害の他に視覚等の感覚障害や知的障害を伴うケースが増えている。特に先天性の疾患(障害)のある児童生徒では、そうした医療情報の把握や理解が重要になる。
授業では、肢体不自由児の多様な実態を紹介し、個に応じた教育目標や教育内容の精選と評価について説明する。これにより特別支援学校や小学校等に在籍する肢体不自由児理解の一助とする。
DPとの関連
①平和を希求し、その教育に努め、幸せな人生を創造しようとする力を身につける
②人間愛のもと、ケアすることの意義を教育・保育の専門性において学び、専門的な知識・技術との統合を図る力を身につける
③修得した専門的な知識・技術を活用し、教育者・保育者として実践する力を身につける
④教育・保育者として、子どもの育ちや学びに関わる問題について時代の変化を見通して研究し、新たな価値の創造を図る力を身につける
⑤社会との連携を図り、人々の教育的・保育的ニーズや社会的ニーズに応えることができる力
※DP:ディプロマ・ポリシー(卒業認定・学位授与の方針)=卒業までに身に付けるべき資質・能力
到達目標
到達目標
1 脳性まひ、筋疾患、骨疾患のちがいを知る。
2 脳原性の運動障害とその他の障害との関連性を理解する。
3 てんかんの概要を理解する。
4 自立活動の概要を理解する。
5 準ずる教育課程と特別の教育課程を理解する。
履修上の注意事項
授業毎に配布する資料を整理保管すること。
授業計画
回数 講義内容【担当教員】 事前・事後学修
1 学級区分と疾病・障害について  【水田弘見】
2 運動の学習と代償動作等について 【水田弘見】
3 肢体不自由児の理解1(脳性まひ)  【水田弘見】
4 肢体不自由児の理解2(脊髄性まひ)  【水田弘見】
5 肢体不自由児の理解3(筋疾患) 【水田弘見】
6 肢体不自由児の理解4(骨疾患等) 【水田弘見】
7 感覚、運動、認知の関連について 【水田弘見】
8 てんかんについて   【水田弘見】
9 生活リズム(活動と休息・睡眠)について 【水田弘見】
10 自立活動の指導1(教育課程上の位置づけ) 【水田弘見】
11 自立活動の指導2(健康の保持) 【水田弘見】
12 自立活動の指導3(心理的な安定、人間関係の形成) 【水田弘見】
13 自立活動の指導4(環境の把握、身体の動き) 【水田弘見】
14 自立活動の指導5(コミュニケーション) 【水田弘見】
15 教育目標の設定と教育内容の精選 【水田弘見】
成績評価方法
定期試験

ただし、受験資格を満たしていない場合は評価の対象としない。
教科書
書名・著者(出版社) ISBNコード
特別支援学校学習指導要領解説自立活動編(幼稚部・小学部・中学部)平成30年3月(開隆堂) ISBN978-304-04231-7
参考書
書名・著者(出版社) ISBNコード
教員からのメッセージ
医療の発達に伴い小さく生まれて元気に育つ子供がふえています。そうした中で、いろいろな病気や障害のある子供の命も救われるようになりました。肢体不自由教育といえば手足の不自由な子供と捉えがちですが、出産子育てに関わる今日的情報や課題がたくさんあります。肢体不自由児や医療的ケア児といわれても、一人一人のちがいは多様です。特別支援学校だけでなく、小学校等にも、そうしたちがいが分かってもらえずにいる子どもがいます。特別支援教育は一人一人の教育的ニーズに応えることが重要です。授業を通じて、そうしたちがいに気付けるヒントが紹介できればと思います。
教員との連絡方法
教務担当者に連絡してください。
実務経験のある教員
特別支援学校(知肢病)教諭、自立活動教諭(肢体不自由)、部主事、教頭、校長、県教委総括指導主事(特別支援教育)