科目コード
R24303
授業科目名
基礎作業学実習Ⅰ
担当者
山川 敦史
対象年度
2024
履修区分
必修
開講期
1年
前期
授業回数
23回
単位数
1単位

授業の概要
1.作業療法における「作業」の意味と価値を理解するための枠組みを講義で伝えます。それらの知識を演習で活用して、学生のみなさん自身の「作業」の意味を考え、同時に、お互いの「作業」の意味やその人にとっての価値を考えます。
2.「作業」は治療の目的であり、同時に手段です。作業のどんな要素が、治療や手段として力を発揮するのか。「作業分析」の方法を講義で学び、演習で実際に分析してみます。
3.実際に「作業」に取り組んでいる様子を観察し、それを言葉や文書で表現する方法を講義で学び、演習で活用します。
DPとの関連
①平和を希求する心と豊かな人間性を身につける
②修得した専門知識・技術を基盤にした総合的臨床能力を身につける
③高い倫理観をもち、自己を変革しつづける能力を身につける
④地域社会・国際社会と協働し、人々の健康生活のニーズに対応できる能力を身につける
2025年度以降の学則適用者用のディプロマ・ポリシーとの関連を記載しています。2024年度以前の学則適用者は。項目順や表現が異なりますので注意してください。
※DP:ディプロマ・ポリシー(卒業認定・学位授与の方針)=卒業までに身に付けるべき資質・能力
到達目標
1.自分自身の「作業」を挙げ、複数の視点からその意味と自分にとっての価値を述べることができる。
2.ペドレッティの枠組みと、MTDLP「生活行為向上プラン演習シート」内「生活行為工程分析を用いて「作業分析」を行うことができる。
3.自分やクラスメイトの作業の様子を観察し、遂行技能の概念を利用しながら言語的に表現することができる。
履修上の注意事項
ひとつの活動・課題をいろいろな側面から見るトレーニングを積んでいきます。将来、対象者の方の作業を評価・分析するときの基礎となります。これまでの自分になかった視点の習得に意欲的に取り組んでください。
授業計画
回数 講義内容【担当教員】 事前・事後学修
1 オリエンテーション・自分の作業について:作業の概念を用い自身の作業を挙げる。 自分の作業を複数挙げて作業バランスを考える
2 作業の意味を考える視点(1):吉川の7側面*参考書2)を利用して分析 別の作業についても同じ視点を利用して分析
3 作業の意味を考える視点(2):吉川の7側面*参考書2)を利用して分析 別の作業についても同じ視点を利用して分析
4 作業の意味を考える視点(3):吉川の7側面*参考書2)を利用して分析 別の作業についても同じ視点を利用して分析
5 作業を分析する枠組み(ペドレッティ):作業分析の手段を知る 分析対象にする作業について、必要な情報を調べる
6 作業分析演習(ペドレッティ):自分の作業について分析を体験 別の作業についても同じ枠組みで分析を試みる
7 遂行技能に親しむ〜運動技能:作業をしているときの運動面の分析 自分の生活行為の中に該当する行為を見つけてみる
8 遂行技能に親しむ〜プロセス(処理)技能:作業をする際の知的・効果的な機能の分析 自分の生活行為の中に該当する行為を見つけてみる
9 作業実習(ミサンガ)(1) 自分の運動技能・処理技能に着目し、特徴を記録
10 作業実習(ミサンガ)(2) 作業分析および遂行した経験をシートにまとめる
11 遂行技能に親しむ〜社会交流技能 自分の生活行為の中に該当する行為を見つけてみる
12 ちぎり絵のためのグループワーク ちぎり絵の原画となるテーマを探しておく
13 作業実習(集団:ちぎり絵)(1) グループ内の交流の様子を客観的に振り返る
14 作業実習(集団:ちぎり絵)(2) デザインの決定に必要な情報を調べておく
15 作業実習(集団:ちぎり絵)(3) 自分の運動技能・処理技能に着目し、特徴を記録
16 作業実習(集団:ちぎり絵)(4) 自分の運動技能・処理技能に着目し、特徴を記録
17 作業実習(集団:ちぎり絵)(5) 自分の運動技能・処理技能に着目し、特徴を記録
18 作業実習(集団:ちぎり絵)(6) 自分の運動技能・処理技能に着目し、特徴を記録
19 作業実習(集団:ちぎり絵)(7) 自分の運動技能・処理技能に着目し、特徴を記録
20 作業実習(集団:ちぎり絵)(8) 作業分析および遂行した経験をシートにまとめる
21 プレゼンテーション演習(1) クラスメイトの発表内容と発表時の様子を評価
22 プレゼンテーション演習(2) クラスメイトの発表内容と発表時の様子を評価
23 プレゼンテーション演習(3) クラスメイトの発表内容と発表時の様子を評価
成績評価方法
演習で取り組んだ課題について
(1)期限内に提出できること
(2)枠組みに沿った内容が作成されていること
(3)発展的な内容を含むこと
以上を基本に、開講中にルーブリックとして提示した基準に沿って行います。
ただし、受験資格を満たしていない場合は評価の対象としない。
教科書
書名・著者(出版社) ISBNコード
作業学 ゴールドマスターシリーズ 第3版 ・ 長崎重信(編)(メジカルビュー社) 978-4-7583-1671-2
参考書
書名・著者(出版社) ISBNコード
作業って何だろう 作業科学入門 第2版 ・ 吉川ひろみ(医歯薬出版) 978-4-263-21667-5
作業療法がわかる COPM・AMPSスターティングガイド ・ 吉川ひろみ(医学書院) 978-4-260-00748-1
教員からのメッセージ
作業療法は「作業」を治療目標や治療手段として使います。作業の意味を考えることは、作業療法士を目指すための第一歩になると思います。これまでの自分やまわりの世界が違って見えるかもしれません。楽しんでください。
教員との連絡方法
原則、在室時は対応可能です。事前にメール・電話で用件を連絡してから訪室してください。
lily-drg@hcu.ac.jp
実務経験のある教員
作業療法士として病院(入院・外来)および在宅(訪問)の臨床経験をふまえ、知見を交えた講義を行います。