科目コード
R24338
授業科目名
回想療法
担当者
渡邊 哲也
対象年度
2025
履修区分
選択
開講期
2年
後期
授業回数
8回
単位数
1単位

授業の概要
高齢期の臨床において、回想療法による認知症の予防や進行抑制を行う試みは、近年めざましく発展してきている。R,N,Butlorが提唱しそれを小林が発展させた回想療法。その基礎的かつ理論的な理解と、対象者を知る方法として、インタビューを用いて「その人の生きてきた軌跡」を理解する方法を学修する。患者役及びセラピスト役に分かれて行うペアワークにより、作業療法の実践にも応用可能な心療回想法の理論と技術の両側面について学ぶ。
DPとの関連
①慈愛ある豊かな人間性と人間を広い領域から捉える教養を身につけている
②理学療法・作業療法を実践するための専門的知識・技術を身につけている
③生命の尊厳や人間尊重を基本とする高い倫理観を持ち、自律して行動できる思考力や判断力を身につけている
④理学療法士・作業療法士として課題を解決しようとする情熱と創意を持っている
⑤地域社会・国際社会の一員として、専門職種と協働できる専門知識、コミュニケーション能力を身につけている
2025年度以降の学則適用者用のディプロマ・ポリシーとの関連を記載しています。2024年度以前の学則適用者は。項目順や表現が異なりますので注意してください。
※DP:ディプロマ・ポリシー(卒業認定・学位授与の方針)=卒業までに身に付けるべき資質・能力
到達目標
・回想療法の概要について説明でき基本的なインタビューが実践できる。
・インタビュー技法の演習を通して、対象者の人生の歴史及び現在の心理状況を把握することができる。
・軽度~重度認知症者に対して、対象者に合った個別・集団療法を選択し、実践できる。
履修上の注意事項
演習課題では、実習を想定したロールプレイ等を行っていきます。対象者に対して、回想法を使ったコミュニケーションスキルアップを目指しましょう。
授業計画
回数 講義内容【担当教員】 事前・事後学修
1 オリエンテーション、回想法の基礎 認知症者の実際について様々なメディアを視聴し、予備知識を習得しておく
2 回想療法の行動科学的理解 認知症者の分類について様々なメディアを視聴し、予備知識を習得しておく
3 認知症「程度別」回想療法の実践法 1H話法やあるある探し、うなづきの技術などを普段の生活で活用すること
4 回想療法演習①インタビュー法、個別療法 インタビュースキルを実生活で活用してみよう
5 回想療法演習②集団療法(軽度認知症) 昭和時代前半の時代背景を調べておくこと
6 回想療法演習③集団療法(中度認知症) 昭和時代前半に流行した歌や遊びについて調べておくこと
7 回想療法演習④-1パーミング演習(重度認知症) 爪を切る、適切な服装をする、必要物品など準備を適切に行うこと
8 回想療法演習④-2パーミング演習(重度認知症) 実際に学んだ技術を普段の生活の中で活用すること
成績評価方法
提出物課題100%
ただし、受験資格を満たしていない場合は評価の対象としない。
教科書
書名・著者(出版社) ISBNコード
参考書
書名・著者(出版社) ISBNコード
回想療法の理論と実際 ・ 小林 幹児(福村出版) 978-4-571-50006-0
介護リハビリ職のためのシンプル回想療法 ・ 小林 幹児(福村出版) 978-4-571-50007-7
教員からのメッセージ
認知症者をサポートするための専門的な講座を受けることができると同時に、認知症者に対するコミュニケーションスキルを身に付けることができます。幅広い視野と技術を持った作業療法士を目指しましょう。
教員との連絡方法
別途、オフィスアワーを指定します。
実務経験のある教員
心療回想士の認定を有しており、重度認知症患者デイ・ケアにて定期的に作業療法に回想療法の技術を取り入れサービスを提供している。またキャラバンメイトとして、年8~10回認知症サポーター養成講座を開催し、企業や地域住民などへ認知症理解の普及を行っている。講義の中では、認知症者の対応技術と介助者としてのあり方についても触れ、より質の高い技術習得を目指している。