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専攻科・大学院

メッセージ


白根彩名さん
医療法人社団輔人会
太田川病院・リハビリテーション科

白根 彩名 さん(2021年度入学 4期生)

対象が小児から成人まで幅広いため、働き方・場所に選択肢があることも魅力のひとつだと思います


1)言語聴覚士を志し専攻科に入学したきっかけ

私はもともと音楽を専門に勉強していました。
大学時代に祖父を誤嚥性肺炎で亡くしたことや、声楽家の恩師が喉の不調で困った際に、「歌うことを職業とした人の気持ちをわかってくれるボイスクリニックが広島にはない」 と言われていたのを聞いた事があり、漠然と、自分もなにかそうした方たちの役に立てることを身につけたいと思うようになりました。
卒業後は楽器店で働いていましたが、言語聴覚士という職種を偶然知り、大学時代に思い描いたことの実現にむけて言語聴覚士を志すことにしました。
私の人生の基盤である音楽と、これから学びを続けていく医療を繋げ、私ならではの形を作っていくことが次の目標です。


2)学生生活を送る中で

楽しかったこと
クラスにいる時間が楽しかったです。
授業、課題、筆記試験、実技試験と日々忙しかったですが、年齢・経歴が様々なクラスメイトと励まし合いながら、同じ目標に向かって頑張ったことは、一生の思い出になりました。
苦労したこと
国家試験のための勉強です。
私はセンター試験を受験しておらず、幅広い範囲に優先順位をつけながら勉強を進めていくという経験がありませんでした。
どれだけ勉強しても不安が消えずにいましたが、「大丈夫」と言ってくださる先生を信じて頑張りました。
悩んだこと
臨床実習は貴重な学びもたくさんありましたが、人間関係で大きな壁にぶつかりました。
実習先の先生方にもご配慮をいただき、自分なりに努力をしましたが、解決できず涙が止まらない時期がありました。
今思い返すと、必要な試練だったようにも思います。先生方は最大限のサポートをしてくださり、クラスメイトにも支えられ、乗り越えました。
専攻科に入学したから出会えたご縁に感謝したいです。

3)2年間という履修カリキュラムについて思うこと

内容の濃い授業が次々と進んでいくため、もう少しゆとりがあれば…と感じた反面、2年間だからこそ直向きに頑張ることができたと思います。
短期間で効率良く資格取得を目指したい人にはピッタリのカリキュラムだと思います。

4)国家試験対策について振り返って思うこと

勉強を進めて行く中で、授業中に先生方が話されたちょっとした臨床エピソードが役立ちました。
特に専門科目は、見返しながら先生がこんなことを言われていたなぁと思い出すことで、記憶に定着させやすかったです。
丸暗記が必要な部分も多いですが、日々の授業や演習を大切にすることが国家試験前の自分を助けると感じました。
集中できる環境を整えて、マイペースに勉強を続けることができたのも良かったです。

5)現在の職場について -職場の紹介と仕事内容、日々感じていること-

太田川病院は「地域に貢献できる医療」をめざし、急性期から生活期まで支援している地域密着型の病院です。
言語聴覚士のリハビリでは主に口腔ケア、摂食・嚥下訓練、構音訓練、認知機能訓練を実施しています。
同じ患者様でもその日の体調によって得られる反応は変化するため、全身状態の小さな変化を見逃さないことが大事だと痛感しています。
また、前職でピアノを教えていた時も言語聴覚士になった現在でも、非言語を含めた対人コミュニケーション能力が重要だと感じています。
例えば、言葉でのコミュニケーションが困難な状況にある失語症や認知機能低下を認める方へ歌唱を実施すると、笑顔になったり涙を浮かべたりされる瞬間があります。
相手の気持ちを全て理解することは難しいですが、コミュニケーションの手段として音楽が有効な方には上手く活用できるよう工夫していきます。

6)これから学びを深める専攻科の学生へメッセージ

言語聴覚士が対象とする方は小児から成人まで幅広いため、働き方・場所に選択肢があることも魅力のひとつだと思います。
全く違う分野からでも、それまでの人生で培った経験は、きっと活かせるはずです。
ネガティブに考えてしまう時には、「言語聴覚士を目指す」と決心した理由を思い出して、2年間を走り切ってください。

太田川病院
【教員から一言】
白根さんは相手の気持ちや表情を細やかに読み取って、自分を合わせていく事ができる学生さんでした。
その学びにおいて、人一倍明確な「なりたい姿」を持って学んでいたのですね。
目指す先を見失わずに、まっすぐに進む中には、壁もあったようですが、その越え方も誰かの声に耳を傾けながら、1人で抱えずに乗り越えられていったような気がします。
思い描く素敵なSTに成長されていくことを願っています。



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